戦艦ミズーリにまつわるお話をご存知ですか?

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お盆も近い事から、太平洋戦争にまつわるお話を書かせてもらっています。

今日はその三回目で、戦艦ミズーリにまつわるお話です。
戦艦ミズーリは太平洋戦争当時活躍し、1992年3月に退役するまで50年近く活躍した戦艦です。

戦艦ミズーリとは

戦争当時は、歴史的な降伏文書調印式がミズーリの甲板上で行われたのは有名な話です。

さて、それより少し前、終戦末期、沖縄沖で作戦行動中の戦艦ミズーリにとっては不幸な出来事が起きました。
当時は特攻攻撃の最盛期のであり、この戦艦ミズーリも特攻攻撃の標的にされました。
そして1機のゼロ戦の特攻攻撃を受けてしまったのです。
奇跡的にもその時の写真が残っているようですが、しかしこの特攻機の爆弾は不発で船体の一部を凹ませて、小規模な火災を引き起こした程度でした。

艦長の人ととしての行動

特攻機のパイロットの亡骸は二分され、その上半身は船体に残っていたそうです。

この勇敢な攻撃に強く心を打たれたウィリアム・キャラハン艦長は、この特攻隊員を水葬にして手厚く葬ることを提案したそうです。
戦争中でしかも特攻してきたパイロットでしたから「敵兵にそんなことをする必要はない」という反対も当然あったそうですが、
しかし、艦長は「敵兵でも死んだら敵ではない。国のために命を捧げた勇士である。」
丁重に葬ってやりたいと艦内に放送し、星条旗に日の丸を描かせて遺体を包み、翌十二日、礼砲五発、全員敬礼をして水葬にしたそうです。

終戦後のミズーリ

戦争終結後の調査により、この特攻機のパイロットが鹿児島県の鹿屋(大隅半島)を飛び立った「第五建武隊」(計十六機)のうちの一機、石野節雄・二等飛行兵曹(当時十九歳・岡山県出身)であることが判ったそうです。

やがて、この戦艦ミズーリも退役し、現在はハワイに記念館として展示してあり、見学も可能だそうです。
そして、特攻攻撃を受けた右舷艦尾には「カミカゼ・アタック・サイト」と呼ばれ、現在も凹みが確認できるそうです。

ウィリアム・キャラハン艦長は兄を日本軍との戦闘で失っていたが、特攻機のパイロットを手厚く弔い、最大限の敬意を表した。

平和と友好のしるしとして、艦上で日米の関係者が対面するのは意義深いことである」と、石野二等飛行兵曹の慰霊祭を行うことを計画し、終戦の56年後特攻隊員の家族らを招いて、真珠湾に係留中のミズーリ艦上で慰霊祭を開催したそうです。

その時の特攻ゼロ戦のパイロットで亡くなった石野節雄さんの家族は、節雄さんが当時の敵にも関わらず手厚く葬られた事を知り、ようやく家族を失ってぽっかり空いた心の区切りがついたようです、と語ったそうです。

狂った時代の光明

あの時代は多くの非人道的な行為がなされ、狂った時代とだと思いますが、このようにウィリアム・キャラハン氏のように、人道的に行動した方もおいででした。
アメリカでは敵であっても、評価する点はちゃんと認めるフェアな社会があるから、不幸な大戦を経験しても現在はお互い理解できる仲の良い関係国同士のなのではないでしょうか。

私も奴隷制度や色々な不幸な事を経験して成熟した、アメリカイズムは敬意を持っているし、そういった誰でも素晴らしい点は素直に認めるアメリカの風土の素晴らしさは尊敬しています。

これからの日本が目指すもの

そして、戦後70年もたっても、日本は戦争をせずに平和国家を発展させ工業的には世界有数の国に発展しました。
ハワイには毎年多くの日本人が訪れますが、この戦艦ミズーリ記念館にまで足を延ばす人はほとんどいません。

これからは、世界二次大戦中、国の為に、家族の為に、命をなげうってくれた当時の多くの兵士に感謝の念を忘れず、二度とこのように不幸な事が起きないように叡智を絞り出す成熟した社会を目指してほしいものです。

このシリーズのを書くにあたっての私の思い

毎年、お盆の間際になると戦争関連の記事を書いています。

そこには、戦争を知らない私たちの世代から先は、当時戦死した多くの方の念や感謝の気持ちが欠如しているように感じます。
アメリカ映画でありながら、何故硫黄島の激戦は起きたのか?そしてそこから得たものはと問題提起した「父親たちの星条旗/硫黄島からの手紙」は素晴らしい映画だと思います。

そして若者はなぜ特攻に出撃していったのか?その一端を垣間見させてくれる「永遠の0」もまた素晴らしい映画だと思います。

私達は映画や、当時の体験談でしたその事を知るすべを持ちませんが、ここを閉ざすことなく、過去の事を真摯に受け止める事、そして過去の失敗を学ぶ事、自己犠牲で未来の日本を助けようとした多くの人々の感謝の念を忘れてはならないと思い、駄文ですが書いてみました。
一応今年のこのシリーズは終わりますが、来年また勉強して書きたいと思っています。

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今回も最後まで読んでいただいて、有難うございました。

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