2015.6.15(月)
人間国宝の人材育成
僕は松之山で行われていた、狂言イベントを長年手伝ってきました。
その時、幸運にも人間国宝の野村万作さんとも、お話をさせていただく機会を頂きました。
普段は雑談なんですが、野村万作と言うと、狂言の後継者育成のエキスパートでもあります。
野村萬斎/石田幸雄/深田博治/高野和憲/月崎晴夫/竹山悠樹さんら他にも若手が続々と育ってきています。
など狂言界でさらに、非常に有望な次の人材も育ちつつあるんです。野村遼太(万作さんの外孫)/野村裕基(萬斎さんの子供)
このように、自身の事だけではなく一流の次世代を担う人材も着々と育っているのです。
この事を野村万作さんに直接聞いたことがありました。
何か人材育成の秘訣は?と言う事ですが。
先生は謙遜しておいででしたが、大切にしている事があるそうです。それは、狂言の型や基本だそうです。
狂言は伝統芸能です。それも600年の伝統と歴史のある芸能です。
万作先生は古典本来の基本の大切さを説いておいででした。
現在の風潮だと、狂言師そのものも表現を現代風にアレンジして公演する場合もあるようです。
そして、ご子息の萬斎さんはハムレットを狂言風にアレンジした作品を発表されています。
しかし、狂言師を目指す上で大切な事は、やはり伝統と基本だとおっしゃるのです。
万作先生は弟子が一人前になるまで、基本を外れた事を禁じ、一人前として自立した時に初めて色々な表現方法を認めておいでです。
その結果、お弟子時代は固い芸の印象もありますが、長い間には芯のしっかりした芸人に育っていくのだと思いました。
それから、私も新人には「基本」が大切だと説いてきました。
口癖にのように言っているのは、僕は万作先生のように一流ではないので、新人は育っていませんが、この事は万作先生の教えからなんです。
どんなに素晴らしい芸を持っていても、それを後世に伝えなければ絶えてしまいます。
やはり、伝統芸能には人材育成のコツがまだまだあるようです。
今回も最後まで読んでいただいて、有難うございました。
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