2017.7.10(月)
どこまで許される、写真の合成!!
最近の写真を撮影していて、表現の一つとしてコンポジット撮影を多用することが多くなりました。
コンポジット撮影とは、合成写真の一種で明合成と暗合成があります。
よく使われるのが、星の軌跡の写真です。
流れる星空なんては、コンポジット撮影の明合成です。
星空も一枚で撮影するとこんな風に写ります。
しかし、この星空は地球の自転で動いているのです。
もう少し長いシャッター速度で1時間に50枚の写真を撮影して、ソフトでコンポジット(明合成)するとどうなるか?
これは作例ですが、こんな風に星の軌跡が出来るのです。
蛍も同じように、実際に見えるより沢山の蛍を画面に入れる事が出来ます。
この写真は今年初めて蛍の撮影をした時の写真です。
実際にはこんなに沢山の蛍が飛び交うわけではありませんが、数十枚の写真をコンポジット(明合成)して一枚の写真にします。
問題はコンポジット撮影は合成写真であり得ない風景も作り出せるって事です。
例えばこの写真、美しい写真ですがどうですか?
実はこんな写真あり得ないのです。
だってよく見ると画面下側の人家に街灯が写っていますよね。
そうなると、かなり暗い時間の写真なのに、日の出が・・・・・
実はこの写真は、夜明け前に暗い時間帯の写真と、その30分後の夜明けの写真を暗く撮影して、コンポジット(明合成)した写真です。
撮影地に通っていて、太陽がどこから出るか分かると、事前にフレームを決める事も出来ます。
さらに蛍の写真です。
少し暗くて分かりづらいのですが、丸印の写真は蛍の明かりをコピーして空白地帯に挿入した写真です。
これもコンポジット撮影のテクニックを使っています。
私は風景写真は自然を自分の視点で表現するのが楽しいのだと思うのです。
その中の一環で、コンポジット撮影も表現の一環でありだと思うのですが、行き過ぎた合成は慎むべきだと考えています。
あり得ない風景なんて、現実離れしていますよね。
例えば
夜明け前の雲海の写真があったとします。
全体にブルーに統一されていて綺麗ですよね。
しかしこの写真には大きな問題があります。
それは左下に携帯電話の基地局の鉄塔が写っています。
気にならないから良いじゃんと思うかもしれませんが、気になります。
撮影時には気が付かなかったと思います。
この程度は画像ソフトで消すことも可能ですが、そんな写真はあり得ないのです。
だってそこには、存在しない嘘の風景ですから。
今風で言うとフェィクネイチャーですよね。
こういった処理も、例えばカメラの光学素子にゴミが付いてソフトで修正するのは許されるのですが、行き過ぎた合成はするべきではないと考えています。
これが僕の作品作りの基本になります。
最近デジカメですから、ソフトで処理するとかなりの事が出来るようになりましたが、僕の判断は、そこにある構造物は仕方ない。
合成したフェィクネイチャーダメっていう判断です。
温泉に全く関係ない、写真の事を熱く語ってしまいました。
お付き合いいただきありがとうございます。
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今回も最後まで読んでいただいて、有難うございました。
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