なるほど!松之山温泉の謎を解明する。

松之山温泉のイメージ図です。地下ではこんな感じだと考えてください。

松之山温泉のイメージ図です。地下ではこんな感じだと考えてください。

今回は松之山温泉は謎が多い温泉です。
良く考えてみてください、火山もないのに高温の温泉が山の頂上付近から自噴している。
海も近くないのに、非常に塩分が濃い!
今回はこの謎を考えてみましょう。

近くに火山もないのに松之山温泉はなぜ高温なの?

分りません、と言ったら身もふたもありませんがね(笑)
まず温泉の成り立ちですが、温泉は大きく分けると火山性の温泉と、非火山性の温泉に分けられます。

火山性の温泉

火山性の温泉は火山のマグマの熱が地下水を温めて、地上に湧出したものを言います。

非火山性温泉

また、非火山性の温泉は別名深層地下水型とも言われます。
地中では表面では季節などの影響をうけますが、100mお越えるような深層地下では、ほとんどそのような影響をうけなくなります。

一般的に地下増温率と言って100m深度が増すごとに+3℃水温が増すと言われています。
ですから、地表近くの水温を15℃とすると、仮に1,000地点の地下水は45℃ある訳です。
でも、松之山温泉は僅か300mボーリングしただけで、90℃以上の温泉が、大量に自噴しているのはなぜ?

松之山温泉の場合は少し複雑

でも、松之山温泉がそんなに単純ではなくて、鷹の湯1号2号井みたいに200~300mにも拘らず90℃以上の温泉が大量に出ています。

やっぱり、近くに火山の熱があるのでは?と思うかもしれませんが、実はこれは、松之山温泉の特殊な事情に起因しています。
その事情とは、実は松之山温泉は太古の海水(800万年~1,200万年前)が地下に閉じ込められてできた化石海水型の温泉なのです。
しかし、それは地下5,000mから3,000mに閉じ込められていると、推測されます。
上には泥岩など水を通さない層があり、どこにも逃げ場はありません。
そこに、5,000mもほぼ均一の凝灰岩って岩が乗っていると考えてください。
凄い熱と圧力を感じません。そこでの温泉の温度は140℃前後と推察されるそうです。
昔の海水が地中に閉じ込められいると言っても、大きな地中湖がある訳ではありません。
砂岩や凝灰岩など水を含みやしい岩にしみこんでいるってイメージしてください。
それが、地下の断層を通じ地表近くまで上昇して来ているのだそうです。この場合でもかなりの圧力を伴っているので、地下水などと混入しないで、地中深くそのままの温泉が、地上近くまで来ているのを、ボーリングで掘り出しているので、浅くて熱い不思議な温泉が湧き出すそうです。

なぜ松之山温泉は山の山頂近くでも自噴するのか?

先にも書きましたが、温泉沢山含んでいる地層は3,000m~5,000mも地下で、凄い圧力がかかっています。またこれらは、石油の生成と似ているのでお分かりと思いますが、メタンガスを伴っています。その温泉が、地下の断層や弱い部分を伝わって、地表近くまで来ているのです。それをボーリングで掘り当てると、温泉が自噴します。
こんな圧力と、ガスの力により、山の山頂近くでも、大量の高温温泉が自噴出来るというわけです。

松之山温泉は近くに海もないのに、塩分が濃いのか?

もう書いちゃっていますが、要するに昔の海水だからです。
ちなみに、松之山温泉の塩分濃度は、海水の半分程度です。
高圧なので、地下水と混じらないと言ったのになぜ?
それは、温泉を含む地層が堆積した時に、一緒に堆積した泥が、高温と高圧ににより岩石に変わる過程で、水分が生成されるのだそうです。
だから塩分濃度が薄まるそうです。

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今回、松之山温泉の事について書かせてもらいましたが、温泉の常識が通用しないのは、特別な生い立ちのせいだったんですね。
これからも、温泉の疑問に積極的に答えていきたいと思います。

タグ:
松之山温泉の疑問

今回も最後まで読んでいただいて、有難うございました。

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