ナステビュウ湯の山、再開までの道のり。

現在の源泉井戸

巷では、ナステビュウ湯の山に関して色々な噂が流れています。
そこで、現状分かっているだけでも、今後の見通しと予定を書かせてもらおうと思います。

温泉法で規定されています。

皆さんはご存知か?分かりませんが、温泉は勝手に掘って勝手に利用する事は出来ません。
温泉を掘る場所が私有地であっても、温泉法という方の規制を受けます。

法律かい、面倒だなと思われるかもしれませんが、本当に面倒なんです。

例えば新規で温泉井戸を掘削する場合は掘削許可を得てから、温泉が出た場合は揚程試験を行い次の段階まで進みます。

では、ナステビュウ湯の山の場合のように、今まで使っていた温泉井戸が自噴しなくなって、今後は動力(ポンプやエアーリフト)を使って温泉をくみ出す場合も同様に許可が必要になります。

今後の許可の流れ

今度の手続きの流れですが

(新潟県のホームページより)
赤い部分がナステビュウ湯の山が申請に必要な部分です、このような流れになります。

《温泉許可申請等の流れ》

新規温泉掘削から温泉利用までの許可申請等の大まかな流れは、左図のとおりです。

 ① 掘削許可(温泉法第3条) 
 ② 掘削後、井戸の能力把握等のために揚湯試験を実施。(近隣に既存源泉がある場合は、影響調査も実施)※現在はここまで終了
 ③ 動力装置許可(温泉法第11条)
 ④、⑤ 採取許可又は可燃性天然ガス濃度確認(温泉法第14条の2、同法第14条の5)
 ⑥ 利用許可(温泉法第15条)
 ⑦ 掲示内容の届出(温泉法第18条)
 ⑧ 利用(公共の浴用及び飲用以外)報告書(新潟県温泉法施行細則第9条)

 ※ この他にも、許可や届出等が必要な場合があります。(増掘許可、採取事業廃止届出等)

と言う許可申請の流れになります。
青の太字が今後の流れです。

現在の状況は

洗浄が終わり現地調査も終わりました。
現在は、試験的に汲み出した温泉の成分分析の解析中で、結果が出るのが3週間程度言われているので7月の中旬までには結果が出ると思われます。
実際に揚湯試験も終わっています。
現在は申請前なので、詳しいお話は出来ませんが、次の段階に進んでいるって事は、試験揚湯で今後の動力汲上に目途が付いているとご理解ください。

今後は

まず利用計画を立てるにあたり、汲上方式の選定を行う必要があります。
動力による汲上方式は2種類あり、その1つが水中温泉ポンプでくみ上げる方式、とエアーリフトによる組み上げ方式です。
温泉水中ポンプの方式は一般的ですが、当館の場合は問題があります。

温泉ポンプの問題点

温泉温度が96℃と高温で対応するポンプが殆どない。
泉質が濃いため、ポンプ内部にスケールが付着しやすく、定期的なメンテナンスが必要。
など、万が一故障した場合は、井戸内のポンプを引き上げ代替えポンプを入れる必要があるので、原則的に同じポンプを二台所持している必要があります。

エアーリフト方式の問題点

逆にエアーリフト方式の方が単純で故障のリスクも少ないが!
エアーを送る関係で、温泉の酸化が早い
塩化物泉で、温泉井戸内ですが、送気する為送気管や揚程管が温泉の塩分と反応し、酸化して定期的に交換の必要がある。
泉質の似た他施設の実績だと送気管は半年に1回
揚程管は1年に1回交換かメンテの必要があるらしいです。

これから行う準備

温泉法に基づいた、書類を整備して新潟県に提出します。
ここで驚いたことは、新規で申請する場合とほとんど変わらない手続きが必要だと言う事です。
現在、色々な試験を行ったデータを整備しています。
これから、どのように、どの位の温泉を汲上ていくか?
その温泉をどのように利用していくか、決めて新潟県に申請します。
全てのデータが出そろうのが7月に入ってなりますから、予定では7月中に申請書提出になります。

今後の動き

今後の動きですが、下のようになります。

各種申請書提出(7月中に出す予定)
   ↓
許可書発行(新潟県)
   ↓
  現地工事 (現在時期は不確実)
   ↓
  営業再開 (現時点では時期不明)

許可証が交付されてから。

源泉井戸で動力の汲上を行う場合ですが、電力が必要になります。
この場合は大よその組み上げ方式が決まれば、おおよその消費電力が決まります、申込してから工事まである程度時間がかかっても、事前に申し込みしておくことも可能です。

電気はある程度早めの対応は出来ますが、汲上げ機械は審査を通過しないと、変更される恐れもあるので、事前発注は出来ないようです。

汲上機械は?

例えば、温泉汲上ポンプを選択してたとしても、特殊ポンプなのでメーカーも受注生産になるようです。
元々温泉汲み上げ機械はそれ自体特殊ですから、メーカーも普段は在庫を持っていないのが通常でしょう。
通常は注文して2~3カ月掛かるようです。
特注率が高ければさらに時間がかかる事もあり得ます。

機械が到着してから現地工事

今度機械が到着して初めて現地工事に入れるわけですが、事前に電気は来ていたとしても、工事が冬になった場合は、道路から1キロも山の中腹に入った現地の山間部冬季間の工事ができるかどうか?
こう言った問題もあります。

まとめ

今後、まだまだ長い道のりが必要な事が分かりました。
簡単に言うとお盆までに開館はほぼ絶望的な事がお分かりいただけるでしょう。

我々もまさかこれほど複雑で時間のかかる手順が必要だとは思っていませんでしたが、これも温泉法の法令に乗っ取った手順ですから仕方がありません。
全体に時期ははっきりしませんが、新潟県に申請を提出し、許可が下りる目途がはっきりしたら全体計画を立て、再開日時を決める予定になっています。

事情の分からない皆さんは、いつまで何をしているのかとヤキモキしている方もおいでですが、非常に時間がかかる事をご理解いただきたいのです。
私たちも、これだけ休館の時期が長期に及ぶと、従業員はどうするのか?
資金繰りはどうするのか?
色々問題も山積みですが、一つ一つ真摯に取り組めば、必ず解決できると信じています。
勝手なお願いですがお待ちいただいている、お客様も長い目で見守っていただければ幸いです。
ナステビュウ湯の山がオープンして20数年が経ちました、その間に多くのお客様から愛されて、現在まで至っています。
しかし天は、ある日突然特大級の試練を与えました。
私たちはこの試練を乗り越え、必ずまた以前より輝けると信じて頑張りますので、皆さんも応援して下さるようお願いいたします。

タグ:
ナステビュウ湯の山の温泉は?
ナステビュウ湯の山再開の道
ナステビュウ湯の山最大の危機

今回も最後まで読んでいただいて、有難うございました。

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