夏は思いきって「ぬる湯」を楽しみましょう。

夏には、思い切って「ぬる湯」を楽しんでみましょう。
さて、温泉は温度によって分類されていますが、
簡単に言うと

温泉の温度による分類

冷鉱泉　２５℃未満
低温泉　２５～３４℃未満
温　泉　３４～４２℃未満
高温泉　４２℃以上
となっています。

不感温度とは？

次にはお風呂の入浴から分類してみます。
日本人の体温は平均37℃と言われています。
この体温付近の温度帯のお風呂は不感温域と言い、体に最も負担を掛けない温度帯です。
このように体温に近い温度域を不感温度と言います。
この温度は身体の負担が少なく、長時間の入浴でも殆ど疲れません。
最初に日本人の平均体温と但し書きしたのは、外国の方はさらに1～2℃体温が低いそうです。
ですので、通常不感温浴帯は３４～３７℃とされていますが、ここでは日本人に合せて平均体温の37℃より1℃前後した36℃～38℃とします。

僕も不感温浴が大好きです。
目覚めたのは、九州の長湯温泉のラムネ温泉に入浴したことからでした。
日の出前からお風呂に入って、星空がだんだん夜明けに向かう空を眺め、1時間以上入っていました。

それから、福島奥会津の季節限定の大塩温泉の露天風呂も大好きです。
ただ、ここ2～3年は春になっても温泉が出ないようですね。
日本でも有数な天然炭酸泉こればかりは自然相手ですからね。

そして、一年に数回お邪魔している栃尾又温泉の自在館の下の湯は良いです。
自在館も上の湯とか色々有るのですが、僕は下の湯限定です。
何故か？
温度は不感温度で、さらに湯船の中心から新鮮な温泉がわき出しています。
その温泉は超貴重な放射能泉ですよ。
新鮮な温泉を堪能しながら、沢の流れを聞きながらお風呂に入ります。
私は平日しか行かないのですが、多くても2～3人しかお風呂に入っていませんし、殆どの方は喋らないで黙ってお風呂に入っています。

まるで、お風呂に入りながら禅問答している気分です。
最低でも1時間、普通は2時間ほどお風呂に浸かって楽しんでいますが、お風呂の新境地で、こんな楽しみ方もできます。

お風呂は通常は長くても10分程度の入浴を数回繰り返すのが一般的ですが、不感温度では、数時間も入浴することも可能です。

色々悩んだ時には、2時間も入ってじっくり考えると、答えも出てきますよ。
こんな風に体にも心にも優しい温泉なんです。

入浴の温度別の分類

ではやっと入浴の温度で分類すると

「高温浴」４２～４５℃
「温浴」３９～４２℃
「微温浴」３７～３９℃（３４～３９℃）
「不感温浴」３４～３７℃ (３6～３8℃)
「冷温浴」２５～３４℃
「冷水浴」２５℃以下
となります。

温度域を簡単に分類すると、自律神経で考えると体温の近くは交感神経が刺激され、元気になると考えてください。
逆に副交感神経が働いている時は、ゆったりした気分になると考えて下さい。

交感神経は、高温浴でも、逆に冷温浴でも刺激されます。
つまり交感神経は熱くても、冷たくても刺激される訳です。

交感神経が刺激されると、興奮状態まで行かなくても、元気になり、活動期に入ります。

同じお風呂に入っても、温度により34℃～40℃のお風呂に入ると、今度は副交感神経が刺激され、ゆったりした気分になります。
つまり、活動が緩やかになり、リラックスして眠くなるんですね。

体を休めるには、ぬる湯にゆっくり入って体の芯から温まると良いでしょう。

 

ぬる湯の利点

体に優しい。
心にも優しい。
温泉を体に吸収しやすい。
体の芯から温まる。
つい最近まで温泉の、気持ちよい温度は42℃と言われてきましたが、最近は徐々に下がって来て41℃が一般的になって来ました。
これは施設側にしても、低いほうがコストが安くて済むこともさながら、お客様のリスクが大幅に軽減されることもあります。

当館は最近までやや熱めの42℃～43℃で運用していました。
お客様はクレームが殆どないのですが、お風呂で倒れる方が続出して困ったことがありました。

それから、現在は高温浴と温浴の2つの温度を用意してから、殆ど問題は起きません。

そればかりか、ぬる湯のファンが増え、熱いお風呂は御免だ！と言うお客様も増えました。

高温浴の危険性

高温浴に入らないと、お風呂に入った気がしないと言う方がおいでです。

特に高齢者の方が多いのですが、これは熱いお風呂に入ると、体の苦痛を和らげるために、脳内に「βエンドロフィン」という脳内麻薬の1種を分泌します。
これにより脳内では気持ちよいと勘違いしてしまうのです。
ですから、熱いお風呂じゃないと駄目と思っている方は、この脳内麻薬中毒患者なんです。

高温浴は体に大変なリスクを伴います。
特に冬は入浴事故の原因にもなります。
体に良い事は何もないのです。

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