松之山温泉の成分を斬る。

ナステビュウ湯の山の源泉井戸

ナステビュウ湯の山の源泉井戸

ナステビュウ湯の山は自家源泉を使っています。
要するに自分の温泉井戸を持っていると言う事です。

では、その成分はどうなっているのでしょう、温泉法の改定により10年に一度は成分を測りなおさなければいけなくなりました。
当館でも平成20年に測った結果が下の表です。

温泉の分析年月日

平成20年12月11日 財団法人 上越環境科学センター

源泉名及び湧出地

湯坂温泉 新潟県十日町市松之山湯山字湯坂1420-11

湧出地における調査及び試験実績

  1. 調査及び試験者:財団法人 上越環境科学センター 小林裕顕
  2. 調査及び試験年月日:平成20年11月19日
  3. 泉温:95℃(気温5.0℃)
  4. 湧出量:140L/min(掘削による自噴)
    ※注)実際は200L/min以上自噴していますが、バルブにより量を制限しています。
  5. 知覚的試験:無色・透明・無臭・弱塩味
  6. 水素イオン濃度:pH値 7.6(ほぼ中性ですが、弱酸性です。)
  7. ラドン(Rn):未測定

試験室における試験成績

  1. 試験者:財団法人 上越環境科学センター 検査一課長 小嶋智二
  2. 分析終了の年月日:平成20年12月9日
  3. 知覚的試験:無色・透明・無臭・弱塩味
  4. 密度:1.0084 g/cm3(20℃/4℃)
  5. 水素イオン濃度:pH値 7.7
  6. 蒸発残留物:16,000 mg/kg(180℃)

試料1kg中の成分、分量及び組成

(1)陽イオン

成分 ミリグラム
(mg)
ミリバル
(mval)
ミリバル%
(mval%)
陽イオン 計 5,891 256 100
水素イオン
★リチウムイオン 2.0 0.3 0.1%
ナトリウムイオン 3,600 150 59%
カリウムイオン 120 3.1 1.2%
アンモニウムイオン 32 1.8 0.7%
マグネシウムイオン 6.5 0.5 0.2%
カルシウムイオン 2,100 100 39%
★ストロンチウムイオン 28 0.6 0.2%
バリウムイオン 2.3 0.03 0.01%
アルミニウムイオン
マンガンイオン 0.45 0.02 0.006%
鉄テツ(II)イオン
鉄テツ(III)イオン
銅イオン
亜鉛イオン

※注)陽イオンの総計ではナトリュウムとカルシウムイオンで全体の98%を占めています。

(2)陰イオン

成分 ミリグラム
(mg)
ミリバル
(mval)
ミリバル%
(mval%)
陰イオン 計 9,156 253 100
★フッ素イオン 2.6 0.1 0.05%
塩素イオン 9,000 250 99%
★臭素イオン 33 0.4 0.02%
★ヨウ素イオン 6.0 0.05 0.02%
亜硝酸イオン
硝酸イオン
水酸イオン
硫化水素イオン
硫酸水素イオン
硫酸イオン 74 1.5 0.6%
リン酸水素イオン
メタ亜ヒ酸
炭酸水素イオン 40 0.7 0.3%
炭酸イオン
メタケイ酸イオン
メタホウ酸イオン

※注)陰イオンでも殆どが塩素イオンです。

(3)非解離成分

成分 ミリグラム
(mg)
ミリモル
(mmol)
非解離成分 計 370  
★メタケイ酸 120 1.5
★メタホウ酸 250 5.7
メタ亜ヒ酸
リン酸
硫酸

(4)溶存ガス成分

成分 ミリグラム
(mg)
ミリモル
(mmol)
溶存ガス成分 計 0.9  
遊離二酸化炭素
(遊離炭酸)
0.9 0.02
遊離硫化水素
チオ硫酸イオン

★残存物質(ガス性のものを除く):15,417 mg/kg 成分総計:15,418 mg/kg

(5)その他微量成分

総水銀 不検出 (0.0002 mg/kg未満)
不検出 (0.005 mg/kg未満)
カドミウム 不検出 (0.001 mg/kg未満)
総クロム 不検出 (0.01 mg/kg未満)
総ヒ素 不検出 (0.001 mg/kg未満)

泉質

ナトリウム・カルシウム ─ 塩化物泉(弱アルカリ性・高張性・高温泉)

解説

★のついている部分が温泉法の基準を超えている成分です。
全部で8つあります。
つまり当館で使用している松之山温泉は成分的には八星温泉って事に成りますね。
それぞれの成分の特徴を調べてい見ました。

リチウム

リチウムには炭酸リチウムやクエン酸リチウムがあります。リチウムはいろいろな精神科の病気の治療に使われる化学物質です。

ストロンチウム

がんの骨転移による疼痛の緩和を目的とした治療用の放射性医薬品だそうです、濃くなると毒性も強いらしいです。

フッ素

昔から、虫歯予防として知られています。

臭素

鎮静剤、抗難治性てんかん剤として使用されています。

ヨウ素

ヨウチンの成分とされ、殺菌力が強い物質です。

メタケイ酸

「メタけい酸」は温泉に含まれている天然の保湿成分で、お肌の新陳代謝を促進してつるつるにしてくれる美肌のサポーターです。潤い肌用の化粧品やしっとり系入浴剤などにも配合されていて、肌のセラミドを整える作用が期待できます。
この含有量が50mg以上なら、温泉として認められる数値、100mg以上なら“美肌サポートのお湯”といえるでしょう。と温泉研究家の石井宏子さんが仰っています。

メタホウ酸

昔は目薬に使用されるなど、殺菌力の強い物質ですが、濃度が濃くなると毒性も気になります。

まだ松之山温泉には未知の物質が入っているかもしれませんが、一応温泉方で規定値より多く含まれている物質を取り上げてみました。

読んでわかる通り、フッ素/ヨウ素/メタホウ酸などは濃度が高いと毒性も強くなりますが、反面殺菌作用も強く、この成分の殺菌作用の影響で松之山温泉は肌のトラブルに滅法強いと言われてきたのかもしれません。

泉質名「ナトリウム・カルシウム ─ 塩化物泉(弱アルカリ性・高張性・高温泉)」

更に、松之山温泉は泉質名「ナトリウム・カルシウム ─ 塩化物泉(弱アルカリ性・高張性・高温泉)」となっています。
成分からも言えますが、塩分の強い温泉と言えます。

通常成分総量が1,000mg/kg以上を療養泉の基準もクリアしますが、松之山温泉はその15~16倍も含まれている、濃い温泉と言う事が出来ます。
この塩分の濃い温泉は、毛穴にパックのような役目を果たしますので、一度あたたまったカラダの熱を逃がしません。
湯冷めしにくく、神経痛、関節痛、五十肩、冷え性など、温めて血行を良くしますので、非常に適しています。

松之山温泉のキーワードは温まりの湯で殺菌力が強く、肌に潤いを与える美肌作用も期待できる温泉なのです。

それは、現在販売されている「松之山温泉ミスト」が多くの女性を虜にして、リピーターが多いのも頷けます。

タグ:
松之山温泉成分

今回も最後まで読んでいただいて、有難うございました。

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