2015.1.18(日)
水戸黄門とマーケティング
水戸黄門は日曜のゴールデン番組に30年以上も君臨した長寿番組でした。
それはなぜ? やっぱり老若男女に人気があったからでしょうね。
内容は黄金のワンパターンです。黄門様が全国を旅して、道中蔓延る悪を懲らしめるという単純なストーリーです。悪の大半は地元の悪商人と結託している悪代官で、それを懲らしめるという内容です。この代官様は例外なしに、女性とお金が大好きといった、人間らしさ(笑)
スパイ役の忍び お銀の入浴シーンも見どころの1つでした。
この入浴シーンは決まりがあって、必ず好奇心旺盛な殿方が覗いて、お湯を掛けられるという鉄板ぶり。
さらにラストシーンは時間からセリフまで決まっていました。皆さんもこの台詞聞いた事あるでしょう。
「静まれ!静まれ!」
「この紋どころが目に入らぬか!!」
「このお方をどなたと心得る?先の副将軍、水戸光圀公に有らせられるぞ!!」
「御老公御前であるぞ!頭が高い!控え!控えおろう!」
何故、結末が見えるこのドラマが長寿番組となっているのだでしょうか?
柱となるストーリーには、世間に蔓延る社会悪を許さぬ正義感、身分を問わない公平な裁きなど、現代も求められているヒューマニズムがあるからでしょう。
そして、乱闘シーンでも決して殺害はしないのです。全て峰打ちで、命までは取らないのです。
そして、最後の台詞は「おって厳しい沙汰がある覚悟せい!」で完結なんですね。
代官と言えば、現在の市町村長に値する地位なんでしょうか?
30年も悪代官を摘発し続ければ、潔白の方しかいなくなったのでしょうか?
世の中に支持されるって事は、何かあると思います。
マーケティング的に考えると、完全懲悪で失敗が無く、ストーリが分りやすい。必ず時間内に解決する安心感と安定感。
ではなぜ、打ち切りになったか?
高齢化?
マンネリ感?
視聴者の飽き?
これって現在のビジネスにも共通しているのではないでしょうか。
長く続けていくためには、ビジネスの主体の価値を徹底的に磨き完成度を上げる。安定感と安心感を増し、価値を伝える。新しい取り組みも積極的にチャレンジする、といった感じでしょうか。
でも水戸黄門の鉄板さは、いまは通用しないと思うのです。
最高権力者の総理大臣経験者であっても、こうなります。
「この方を、どなたと心得る! 先の総理大臣で、名門家の出身でさらに御学歴は東大卒でスタンフォード大学に留学経験もある秀才である鳩山由紀夫氏であるぞ!」と見栄をきったとしても、反応はどうでしょうか? 大分反応が違う気がします。
今回も最後まで読んでいただいて、有難うございました。
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